印刷用語－トリミング

　印刷用語　トリミングとは？

「トリミング」とは原語の意味としては「切り落とす」「整頓する」「刈り込んで綺麗にする」という英語で、ここからペットの毛を散髪することや精肉の過程において肉の表面をそぎ落とすことなども「トリミング」と呼ばれます。

　

印刷業界やデザイン業界においては、イラストや写真などのオブジェクトや画像を、必要な部分だけ切り抜いたり切り取ったりして加工することを指し、特にグラフィックデザインには欠かすことのできない技術です。このため、グラフィックデザインソフトであるPhotoshopやIllustratorにもこのトリミング機能が備わっています。

　

Photoshopの場合、「クリッピングパス」を使用し切り抜きたい部分をパスでなぞり、そのパスを保存したうえで「クリッピングパスの作成」を適用すればトリミングを行うことができます。Illustratorであれば、切り抜きたいオブジェクトとそれをなぞったパスとを選択し、「オブジェクト」→「クリッピングマスク」→「作成」でトリミング完了です。

　

画像やオブジェクトの一部だけを切り抜く場合とは異なり、写真の一部を切り落として視覚効果を高めたい場合には、それなりの構図テクニックを知っておかなければなりません。例えば被写体の全体像ではなく一部だけを使用したい場合、その被写体が人間であれば、基本的には膝や腕などの関節部分で切り取ると違和感のないトリミングになると言われています。あるいは被写体が物体であれば節目、物の境目で切り取ると良いと言われており、これらを「フレーミングの法則」と呼びます。

　

また安定感や安心感を持たせる「三角構図」、逆に不安感や恐怖感を持たせインパクトのある構図にする「逆三角形構図」もあります。「三角構図」は底辺の面積が大きくそこから画像の中央付近に頂点がある、三角形を思わせる構図のことで、三角にまとまって見える構図にトリミングします。「逆三角形構図」はその逆で、上辺から中央付近に向かって逆三角形を思わせる構図にトリミングすることでその効果を発揮させることができます。

　

更に「三分割構図」というものもあり、これは画像上で1：1：1の分割線を引き、その3分の2に被写体を収め残りの3分の1を空間にするというテクニックです。これにより同じ画像でも美しく見せることができます。被写体が魅力的でそれだけに強い印象を持たせたい場合には、被写体を中央にクローズアップさせた「日の丸構図」というテクニックもあります。

　

いずれにしても、トリミングを行うとその画像データが小さくなってしまうことに注意してください。トリミングに耐えうる解像度があるかどうかを確認してから行いましょう。