印刷用語－著作権

　印刷用語　著作権とは？

ポスターやチラシなどに使用する写真やイラストのデータは、まず「著作権の侵害」にあたらないかどうかを確認する必要があります。著作権の侵害に該当してしまえば、せっかく作った広告印刷物も生産中止、最悪の場合は裁判沙汰になってしまうことさえあるからです。

　

そもそも「著作権」とは、制作物を製作者（基本的には）の許可なく他の人が勝手に使用してはならず、その制作物をどのように使用するかを決める権利はあくまで製作者にあるというもので、「制作物」という財産を守るための法律です。これは「知的財産権」というカテゴリの中に含まれているもので、「知的財産権」には例えば他に特許権や商標権なども含まれています。

　

著作権が発生する制作物つまり著作物は、創造性のあるもの、例えば美術や音楽、文芸などの範囲に属するものとされており、ポスターやチラシのような印刷業界に関係したもので言えば、イラストや写真、キャラクターの他にキャッチコピーや文字のフォントなども含まれる場合があります。

　

著作権は更に「著作者人格権」と「著作権（財産権）」の2つに分けられます。「著作者人格権」とは自分の作品を公表するかしないか、またするとすればいつ、どこで、どうやって公表するかを決める「公表権」や、作品に自分の名前を記載するかどうか、また実名を使うか変名を使うかを決める「氏名表示権」、自分の作品を勝手に改変されることを防ぐ「同一性保持権」が含まれます。

　

一方の「著作権（財産権）」には自分の作品を写真や複写などによって再製する「複製権」、作品を放送したりサーバーに配信しアクセス可能な状態にしたりする「公衆送信権・伝達権」、美術や写真の現作品を公に展示する「展示権」などが含まれており、これらの権利を侵した人に対しては、損害賠償や侵害行為の差止、名誉回復などの措置の請求、また5～10年以下の懲役又は500万～1000万円以下の罰金が課されることになります。

　

従って、自作ではなくインターネットなどで見つけた写真やイラストなどの画像を使って印刷物を作る際には注意が必要です。基本的には使わないのが賢明ですが、「著作権フリー」と書かれているサイトから画像をダウンロードする場合もあるかもしれません。

　

これは個人やごく限られた範囲内での使用に関して「著作権フリー」とされているだけで、広告物など営利目的や広範囲に流出する場合には制限が課されていることが多いため、注意してください。一方「商用フリー」となっているものなら広告物などに使用しても問題ありませんが、その場合でもその画像の取得元情報などを記載しておいた方が良いかもしれません。