印刷用語－レイアウト

　印刷用語　レイアウトとは？

「レイアウト」とは、その語を使用する業界によって具体的な作業内容は異なるものの、基本的には「配置すること」を意味しています。本来は建築や造園の際に全体の構成配置を設計するという意味がありましたが、現在ではその他にもインテリアデザイン、ディスプレイデザイン、グラフィックデザイン、印刷の面付け、洋裁の際の型紙配列、システム設計における入力画面の配置構成、更には工場計画や商品製作にもこの「レイアウト」という言葉が使われています。

　

グラフィックデザインにおいてはレイアウトがその仕事の中核をなすものとなるため、「レイアウト」＝「デザイン」と混同されやすいのですが、正しく言えば「デザイン＞レイアウト」、つまりデザインという仕事の中にレイアウトという作業が含まれると考えてください。

　

グラフィックデザイン、つまりポスターや広告、チラシなどのデザインにおいては、個々のパーツ作り、例えばキャッチコピーの考案や文字のサイズやフォントの決定、配色、写真やイラストの作成などもデザインの重要な要素です。そしてそれらのパーツを特定の範囲の紙面上に、見る人の心理や視覚を考慮して、見やすく魅力を感じさせる効果的な位置に配置しなければなりません。この「パーツの配置」がグラフィックデザインにおける「レイアウト」というわけです。

　

グラフィックデザインにおいては、パーツ作りとレイアウト作業を別々のデザイナーが引き受けるということは殆どなく、同じのデザイナーが入稿までのデータ作りを行います。そのため、レイアウト作業を行う為には、レイアウトの基本原則やテクニックだけでなく、タイポグラフィやイラストレーション、更には製版や印刷、製本についての知識も必須となります。

　

グラフィックデザインにおけるレイアウトの基本原則の1つは、「パーツを揃えて配置する」ということです。パーツとなるテキストや図は左揃えでピッタリ並ぶように配置すると、それだけで整理整頓され、スッキリ見やすくなります。また内容ごとにグループ化することも大切です。関連性の高いものは同じスペースにまとめ、そうでないものは少し離して配置したり、色を統一させることでグループ化され、直感的に内容を理解できるようにするのです。

　

また周囲の余白は十分にとり、文字と文字、文字と図との間もしっかりスペースを取るようにしましょう。余白がないと全体に窮屈で見にくい印象になってしまいます。また重要な部分を強調し、そうでない部分は小さくまとめるなど、コントラストをつけることもレイアウトにおける基本原則です。