ポスターは宣伝のために作るものですから,見た人に必要な情報をしっかり伝えられることが大事です。しかしその一方で,いかにインパクトを与えて興味を持ってもらうことができるか,という点もポスター制作における重要な鍵となります。
ですからこの2つの目的のバランスをうまくとるためにも情報量の調節が求められます。
情報を詰め込み過ぎると逆効果
簡単にいってしまえば情報量が多すぎるとポスターとしての効果が大幅に下がってしまうのです。大半のポスターは通りすがりの人に見てもらうものだということを忘れないようにしましょう。
そもそも情報量が多くなるとゴチャゴチャになってわかりにくいですし,通りすがりの数秒程度目にしただけではとても内容を理解できません。「なんだかよくわからないポスターだな」と思われただけで印象にも残らずに素通り,なんてことになりかねないわけです。
基本的にはシンプルがベスト
基本的には情報を徹底的に絞り込んで必要なことだけを伝えるのが原則です。シンプルであればあるほどよいと言われるのもそのためです。ただどの程度まで絞り込むのか,どこまでシンプルにするべきなのか,といった点はポスターの制作意図や目的によっても違ってきます。
インターネットでの検索に導くことを一つの目的に
たとえばインパクト重視を徹底した場合には,宣伝をする製品やイベントの名前や画像だけで済ませるという方法もあります。とくに現在ではインターネットで情報を補足するという手法が可能なため,興味を持ってもらい,検索へと導くようなポスター作りが効果的になっているのです。
美容関連の製品ならその製品を使っている美しい女性のビジュアルを前面に押し出して文字情報は製品名だけ,観光地の誘致ポスターでは現地の光景や鉄道の画像を前面に出してその観光地の名称で検索することを促す,といった手法がよく行われるようになっています。
効果的な余白を確保するためにも情報量は適度に
また,レイアウトを決める上で余白をどれだけ効果的に配置できるかもポスターの効果性に影響します。情報量が多ければ多いほど余白が少なくなるわけですから,必ず余白を確保できる,パッと見たときに余白が全体の構図を整理してみせるよう意識しながら情報量を制限していくことも大事です。
文字で伝えたいことをビジュアルで伝える
現代のポスターでは文字情報はできるだけ減らしてビジュアルで補う手法が主流です。その意味では文字で伝えたいことをいかにビジュアルで伝えられるかどうかが問われるでしょう。
スポーツクラブなら文字で紹介するよりも楽しいそうにトレーニングしている人や鍛え上げられた体の画像をアピールしたほうが「百聞は一見に如かず」となります。情報量を絞り込むだけでなく少ない範囲でうまく伝えられる工夫も心がけましょう。