ポスター制作においては事前に必ず確認しておくべき重要事項がいくつかあります。品質とスピードの両方が求められる媒体だけに,あとになってミスや問題が生じた場合にしっかりと対応できる環境づくりがとても大きな意味を持つのです。
制作スケジュールをチェックする
まずスケジュール表を制作しておくこと,そしてその内容に無理がないかどうかをチェックしておくこと。とくにイベントやセールなど期間限定のポスターを作る場合には納期まで絶対に完成させる必要がありますから,しっかりとしたスケジュール管理が求められます。作業が遅れて納期が迫ってくればくるほど焦ってミスが多くなるので,ある程度余裕を持ったスケジュール進行が求められます。
目的やイメージを共有できる環境を整える
デザインの段階で目的やイメージを共有できる環境を整えておきましょう。どんな客層をターゲットにしているのか,そのデザインで見る人にどんな印象を与えたいのかといったそもそもの目的を共有しておかないと,製作段階で意見の相違や齟齬をきたしてしまう恐れもあります。
チェック環境を整えて制作ミスを防ぐ
それから相互のチェック環境を充実させること。実際に制作を担当する人,チームとは別にチェックする環境を用意しておきましょう。制作者本人がまったく意識していないところでとんでもないケアレスミスが潜んでいる場合もあります。第三者の視点で客観的にチェックすることでこうしたミスを防ぐことができます。
このチェックに関しては完成した後だけでなく,制作の過程で逐一確認できる環境も用意しておきましょう。基本的には原稿とラフデザインの段階でチェックして何か問題がないか,違和感がないかどうかを見ておきます。
各制作部門ごとの意思疎通をしっかりとる
スタッフ同士の連絡がしっかり機能できるか,風通しのよい制作環境で作業を行えるかどうかも大事な確認ポイントです。たとえば内容を修正する必要が出た場合,デザイナーや製作部門に対してその意図がしっかり伝わるかどうか。どんな点に問題があったのか,どんな形で修正するべきなのか,きちんと意図を伝え,修正後のイメージを共有できる環境を確保しておくことが絶対条件です。
これができないと連絡がちぐはぐになってしまい,時間ばかりが浪費されていつまでたっても問題が解決しない,といった問題が起こります。
対費用効果を考慮する
そしてコストの問題。アイドルポスターのように商品として制作する場合を除くとポスターは宣伝目的に作るもの,ですから対費用効果を考えた上での制作が求められます。いくらぐらいかけるのか,それに対してどれぐらいの見返りが期待できるのか。よいポスターを作るだけでなく,予算内で宣伝の目的を達成できるかどうかも確認しておくことが求められます。