ポスターはよほどの事情でもない限りはカラーで印刷するのが原則です。となると,どれだけ鮮やかな発色をすることができるか,細かい色合いやグラデーションを表現できるかが作成の際に非常に重要なポイントとなってきます。
たとえば観光イベントの場合は現地の風景や特産品をできるだけ魅力的に表現する必要がありますし,陰影の表現もポスターの出来栄えに非常に大きな影響を及ぼします。このカラー印刷の環境がよくないとパソコンでデザインしたときのイメージと実際に印刷したときの出来栄えの間にギャップが生じてしまい,ガッカリしてしまうといったことも少なくありません。ガッカリで済めばよいのですが,多くの人の興味を惹きつけることができずに十分な効果を上げられない恐れもあります。
それだけにカラーモード設定は必ず確認しておくようにしましょう。家庭用のプリンターを日ごろ利用する方にとってカラーモードといえば「RGBカラー」のことですが,プロに依頼してポスターを作成する場合には他の選択肢も視野に入れて選択する必要も出てくるのです。
RGBカラーモードとは
おなじみの「RGBカラー」とは光の三原則,つまり赤(Red),緑(Green),青(Blue)の三色を基準に色を作り上げていくものです。パソコンやスマホのモニターなどはこの形で色を作り上げています。最大の特徴は光を基準にしていることもあって色を重ねれば重ねるほど明るくなり,白へと近づいていく点です。そのため「加法混色」という名称も使われています。
CMYKカラーモードとは
一方ポスター印刷ではもうひとつ「CMYKカラー」という設定も選択肢に加わります。こちらは色の三原則,つまりシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の頭文字を組み合わせた名称です。子供の頃に赤・青・黄色を「色の三原則」として習ったのを覚えている方も多いはず,基本的にはそれのことです。
CMYKカラーモードの特徴
こちらはRGBとは正反対,色を重ねれば重ねるほど色が暗く,どんよりとしていきます。そのためパソコン上でカラー設定を行った状態でこのカラーモード設定で印刷するとモニター上に比べて暗くくすんだような色合いになってしまうこともあります。一方RGBに比べて落ち着いた深みのある色合いにすることができます。
カラーモードは制作開始の段階で設定すべき
グラフィックソフトではRGB,CMYKの両方の設定が可能なことも多い一方,業者でのポスター印刷ではCMYKが原則となっています。そのためデザインの段階からどのカラーモードで設定し,印刷するのかをしっかり決めた上で作っていかないと後になってギャップが生じてしまうことがあるので注意が必要です。