人はポスターを見たときにまずどこに目を向けるか? いろいろな見解がありますし,ポスターによっても違いが見られますが,理想としてはキャッチコピーにまず目を向けてもらえるようなポスターを作りたいとものです。
有名タレントやアイドルなどビジュアル面で惹きつける方法もありますが,それだとポスター本来の目的に興味を持ってくれるとは限りません。それに対してキャッチコピーに反応する人はポスターの目的そのものに興味を持つことが多く,販促や顧客獲得にストレートに結びつくからです。
キャッチコピーの原則「最小限の言葉でシンプル」
そんなキャッチコピーの原則は「伝えたいことを最小限の言葉でシンプルに伝える」ことです。詳細をしっかり伝えたいと思うとどうしても情報の羅列になってしまったり,文字数が多くなってしまってインパクトが薄れます。
いくら美しい文章,充実した情報が盛り込まれたキャッチコピーでも目を通してもらう機会が得られなければ意味がありません。基本的にはパッと見たときに視界に入る範囲内で読み取れる文字数でまとめていく必要があるのです。
キャッチコピーのポイント「何をどう伝えるか」
キャッチコピーのポイントは2つ,「何を伝えるか」「どう伝えるか」です。最低限伝えるべきことを盛り込みつつ,見る人を惹きつける伝え方をすることが大事なのです。そのためにはストレートで明確な表現よりもちょっとあいまいというか,想像力をかきたてるような表現の方がよいと言われます。
たとえば「若々しい肌を取り戻そう」よりも「これであなたも美魔女に!」とか,「心が楽になるためになる名言集」よりも「心が軽くなる魔法の言葉」といった表現の方がキャッチコピーとしては魅力的です。「美魔女」とか「魔法の言葉」とはどんなものなのか,という具体的な説明は細かく考えず,とにかくひきつけられるような表現を考えてみましょう。
マイナスの表現も効果的
また本来マイナスのイメージをあえて使う手法もあります。書籍関連でよく見かけるものですが「○○をやってはいけない」「こんなやり方は失敗する」といったマイナスの表現をすることで逆に「これを読めば失敗せずに成功する方法を身につけられる」とアピールするわけです。健康食品や美容関連などでもよく見られるキャッチコピーのタイプです。
聞きなれない言葉をキャッチコピーにするのも効果的
あえて耳なじみのない言葉を使う手法とも結びついてきます。あまり使う機会がない言葉,あるいは造語を使うことで見た人がその部分で「なんだこれ?」と引っかかるような状況を作るわけです。新しい言葉,珍奇な表現がかえって好奇心とワクワク感を引き立てるといった効果も得られます。
こうしたキャッチコピー作りにはセンスが問われる部分もありますが,基本を踏まえておけば誰でもかなり印象的な言葉を生み出すことができるはずです。