ポスターの目的は何をおいても「注目を集めること」。販促やイベントなどの告知のために制作するわけですから,注目を集めて興味を持ってもらうことがポスターの役割なのです。
そのためには単に駅や繁華街など多くの人の目に触れる場所に貼るだけでなく,見た人が興味を傾けてくれるようなデザインにすることが大事です。よく言われていることですが,通りすがりにポスターを目にする時間は2~3秒程度,その間に立ち止まったり,頭に入れて後でネットで調べようとさせるようなインパクトを与える必要があるわけです。
人はまずポスターの何に注目するかを考えてデザインする
そんな魅力的で実用的なポスターを作るためには「見る人がまずポスターのどの点に注目するか」をよく考えてデザイン・レイアウトを考えていく必要があります。人間は視界は広くても意識を集中させる視点はじつはそれほど広くありません。その限られた視点の範囲内で「オッ!」と思わせるようなデザインを作れるかどうか,が問われるのです。
人の注目―タイトルやキャッチコピー
実際に通りすがりにポスターを目にしたときに人はまず何に注目するのでしょうか?いくつかのポイントがありますが,まずはタイトルやキャッチコピーです。そのポスターが何の目的で作られたのか,何を伝えようとしているのかを最初の段階でチェックします。
そしてほとんど無意識にそのポスターが自分にとって意味があるか,わざわざ注意を向ける必要がないかを判断しています。それだけに魅力的なタイトル,キャッチコピーを作るというのはポスターに興味を持ってくれるかどうかを決める非常に重要な要素なのです。
人の注目―イメージ
もうひとつはイメージ。もっと具体的に言えばビジュアル面です。パッと見たときにそのポスターがどんなジャンルに属しているのかを判断できるようなデザインが求められます。たとえば美しい自然の光景を前面に押し出したポスターならそれが観光ポスターだとすぐにわかりますし,スポーツに励んでいる人物を押し出せばスポーツ関連か美容関連だとわかります。
このビジュアル面でも見た人は早い段階で「ふるいわけ」をすることが多く,自分の興味の対象外だと判断した場合には見向きもせず通り過ぎてしまうことになります。
ポスターに注目してもらう別の方法
あとはイメージキャラクターに頼るという方法もあります。まったく興味がないジャンルのポスターでも好きなタレントやアイドルがイメージキャラクターとして採用されていれば自然と目が向くものです。
ただこれだと興味を持った人が顧客になってくれるとは限らないため,できるだけポスターの目的がマッチしたイメージキャラクターを採用することが求められます。